※本記事は、患者さんの体験談をもとに作成しています。本文中に具体的な病状や治療法なども出てきますが、あくまでも個人の例であり、病状や、治療効果は個人個人で差がありますので、すべての患者さんへ適応できる状況、効果を示すものではないことを了承ください。
1. 健康診断をきっかけに慢性リンパ性白血病の診断
私は毎年健康診断を受けていましたが、ある時の健康診断で白血球の数値が30000/μLと高いことが発覚しました。そこで検診を受けてから10日ほど経過後、血液内科の専門の医師がいる病院を受診しました。受診した病院は自分で調べて、血液の専門の先生がいて自宅から近い病院を選択しました。
血液内科でも血液検査を受けたところ、白血球の数値は健康診断の結果と同じくらいでしたが、加えてリンパ球の数値が高いことが分かり、血液検査の結果から慢性リンパ性白血病の可能性が高いと説明を受けました。そして慢性リンパ性白血病についてのパンフレットを見せてもらいながら、病気についての説明を受けました。
慢性リンパ性白血病という病気の可能性が高いと聞いて、とても不安な気持ちになりました。ただ説明を受けたときに、風邪をひいた場合にもリンパ球が増えることがあり、現時点では確定診断ではないとも聞いていたので、「慢性リンパ性白血病ではなくて、ただの風邪であってほしい」と願う気持ちもありました。加えて、確定診断のために受ける予定の骨髄検査についても恐怖を感じていました。
慢性リンパ性白血病の可能性について説明を受けてからさらに1か月ほど経過後、造影剤を用いたCT検査と骨髄検査を受け、骨髄検査の結果から慢性リンパ性白血病の確定診断となったことを伝えられました。またCT検査の結果では、首のリンパ節と脾臓が大きくなっているとのことでしたが、慢性リンパ性白血病の病気分類(Rai分類やBinet分類)のステージは比較的軽いことから、経過観察の方針で良いと説明されました。
2. 経過観察への不安と、主治医とのコミュニケーションのモヤモヤ
慢性リンパ性白血病に罹患している可能性を知ってから確定診断がつくまでの間に、自分で慢性リンパ性白血病について調べていました。そのため、治療は開始せずに経過観察の方針で良いケースも多いとわかっていたので、確定診断の際に受けた主治医からの説明は理解できました。
ただ自分の気持ちとしては「経過観察のままで大丈夫なのかもしれない」と思う反面、「治療を急がなくても大丈夫なのだろうか」という、安堵と不安が入り混じる気持ちがありました。急激に病気が悪くなるRichter症候群という状態についても事前にインターネットを使用して検索して知っていたため、より不安が強くなりました。主治医から説明を受けた場には妻も同席していましたが、進行がゆっくりな病気だと聞いても不安には思っている様子でした。
確定診断後の経過観察の受診の間隔について主治医の先生からは、私自身で判断して決めても良いと言われていましたが、最初は私自身が心配なこともあって1カ月毎に診察を受けていました。
ところが経過観察が始まった当初は、診察の時の主治医とのコミュニケーションについてはモヤっとした気持ちを抱えていました。私自身はもともと神経質で、何かあると考えこんでしまう性格であると自分でも感じているのですが、特に確定診断がついたばかりのころはかなり神経質になっていたと思います。そのため診察の時には主治医に対して色々と質問をしていたのですが、主治医はあまり明確に答えを返してくれない印象がありました。経過観察はどれくらいの期間になるかと聞いてみても、ふんわりとした回答しか返ってきませんでした。当時は診察のたびに質問をしても曖昧な返答が返ってくるようなやり取りが毎回のようにあり、モヤモヤした気持ちでした。
3. 患者会への参加を通して、セカンドオピニオンの実施を決める
主治医から明確な回答が無いようなことが続いたことから、自分でインターネットを使用して病気についてよく調べるようになりました。ただウェブサイトによって書いていることが違っていたり、治療薬がアップデートされていなかったり、病気に関して古い情報が混じっていたりと情報の錯綜が多く、信憑性を自分で判断することが難しかったです。
そのような折に、妻が慢性リンパ性白血病の患者会があることを調べて私に教えてくれました。そして、すぐに患者会の事務局に連絡を取り、患者会に入会することにしました。
患者会では、私自身が主治医とうまくコミュニケーションをとれていないことを相談できたり、慢性リンパ性白血病に詳しい医師の情報を得ることができました。さっそく患者会を通して知った医師にメールで連絡をとり、主治医とのコミュニケーションに悩んでいることや、他の病院を受診することもはばかられるという気持ちと伝えたところ、セカンドオピニオンをしてもらえることとなりました。