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乳がん

乳がんの治療後のリハビリ生活と経過観察

目次

  1. 乳がんの手術後のリハビリテーション
  2. 乳がんの日常生活で気をつけたいこと
  3. 経過観察は何年続ける?

乳がんの治療後のリハビリ生活と経過観察
乳がんの手術後のリハビリテーション

手術後は筋肉やわきの下の皮膚が縮むため、腕や肩が動かしにくくなったり、肩関節が痛んだりすることがあります。そのままにしておくと、動かせる範囲が狭まったり筋力が低下したりしてしまうので、リハビリテーションを行って機能を回復させます。

手術翌日から手を握ったり閉じたり肘を伸ばしたり曲げたりする軽めの運動をスタートさせ、徐々に運動量を増やしていきます。ほとんどの場合、1~2か月程度で腕や肩を普通に動かせるようになり、半年くらいで元の力が取り戻せるようになります。

また乳がんの手術でわきの下のリンパ節を取り除くリンパ節郭清(かくせい)を行ったり、放射線治療を行った場合、リンパ液の流れが悪くなって腕がむくんだり、腕のだるさや動かしづらさを感じることがあります。これはリンパ浮腫(ふしゅ)という術後の後遺症になります。リンパ浮腫は発症すると治りづらく進行しやすいため、予防のためにもリハビリテーションを行いましょう。

予防のためのリハビリも軽いものから始めます。腕や肩、肩関節、肩甲骨を動かす運動で、リンパ液の流れを促進する本格的なリハビリは、手術時にリンパ液を排出するために付けられたドレーン(管)が抜けてからスタートしましょう。

いずれの場合も、状態に合わせた運動を退院後も続けられるよう、入院中にトレーニング方法を確認しておきましょう。

リンパ浮腫の予防には、そのほかにも「重いものを長時間持たない」「感染予防のため、皮膚を清潔にし、けがや虫刺されに注意する」「太らないようにする」「むくんだ時も鍼灸や強い力でのマッサージはしない」「腕や肩を圧迫しない」などの方法があります。残念ながら完全に予防する方法はありませんが、日頃から次のようなことに注意して過ごしましょう。

乳がんの日常生活で気をつけたいこと

医師から特別な指示がなければ、療養生活中も発病前と同じように日常生活を続けることができます。無理のない範囲で仕事もできますし、旅行にもいけます。とはいえ無理は禁物。体調を見ながらゆっくりからだを慣らしていきましょう。バランスの良い食事を摂り、適度な運動をすることも大事です。

いつから仕事に復帰できるかは、手術の方法やその後の治療スケジュールによっても変わってきます。手術も含めた治療方針が決まる時に、いつ頃から仕事が始められそうか、医師とも相談して考えておきましょう。

薬物療法や放射線療法は通院治療になることが多いので、仕事と両立できるよう、時短勤務や休暇制度なども確認した上で、職場や周囲の理解を求めておくことも大切です。薬物療法や放射線療法は通院治療になることが多いので,仕事と両立できるよう、時短勤務や休暇制度なども確認した上で、職場や周囲の理解を求めておくことも大切です。

また、仕事の内容により、多忙な時期,重要な会議,家庭の役割においても外せない曜日などがあると思います。今は、治療と仕事の両立支援(桜井さん担当)が推奨されています。企業側に治療スケジュールを伝えるだけでなく、医療者側にも仕事や家庭のスケジュールを伝えておくといいでしょう。

くれぐれも1人で抱え込まず、医師や医療スタッフ、上司や同僚、家族とよく話し合って復帰の計画を立てましょう。

経過観察は何年続ける?

治療がひと通り終わった後は、定期的に通院して経過観察を行います。頻度や期間は患者さんそれぞれの状況によって異なりますので、主治医に確認しましょう。もし体調が悪くなった場合は、受診日にかかわらず病院へ。
一般的に経過観察は、最初は1〜2週間ごと、次に1カ月ごと、2カ月ごとのようにだんだん間隔が長くなります。

初期治療後の3年間は再発の可能性が高いといわれているので3〜6カ月ごと、その後4〜5年目は6〜12カ月ごと、5年目以降は年1回の経過観察が勧められています。また、年1回くらい、手術した乳房や反対側の乳房にマンモグラフィや視診・触診も実施します。
ほかのがんの場合は5年が完治の目安になりますが、乳がんは進行が遅いため、5年、10年経っても再発することがあり、経過観察は5年目以降も行います。

【参考文献】
「国立がん研究センターの乳がんの本」(小学館)   
「患者さんのための乳がん診療ガイドライン 2019年版」(日本乳癌学会編)  
国立がん研究センターウェブサイト「がん情報サービス」   (外部サイト)
※別ウインドウで開きます 

Hatch Healthcare K.K.

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