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子宮頸がん

子宮頸がんの治療後のリハビリ生活と経過観察

目次

  1. 手術後のリハビリテーションで防止
  2. 安静にする期間はどれくらい?
  3. その後の暮らしで注意すべきこと
  4. 経過観察の頻度と期間について

子宮頸がんの治療後のリハビリ生活と経過観察
手術後のリハビリテーションで防止

子宮頸がんの治療中や治療終了後は、体を動かす機会が減り身体機能が低下することがあります。体力の低下を理由に運動をしないと、さらに体力が低下するという悪循環が起こります。

そこで医師の指示の下、筋力トレーニング、有酸素運動、日常の身体活動などを、リハビリテーションとして行うことが大切です。運動を行うことで、徐々に疲れにくいからだになり、また精神的苦痛も軽減されることで、クオリティ・オブ・ライフ(QOL:生活の質)の向上が見込めます。退院後の日常生活でも取り入れられるリハビリテーションについて、医師や病院に相談しておくといいでしょう。

また、運動を通してがん患者さんを支援する団体(一般社団法人キャンサーフィットネス(外部サイト)など)が出てきています。
対面での運動やサロン以外にも、オンライン上で一緒に運動したり、つながりを持つことができます。

安静にする期間はどれくらい?

子宮頸がんの治療後、生活面での特別な制限はありません。ただ、体力の個人差、それぞれの症状や治療方法によって注意する点があります。

例えば円錐切除術を受けた場合、傷が治るまでには1カ月半程度はかかりますが、その間も無理をしない程度あれば、以前と同様の暮らしを送ることができます。子宮全摘術を受けた場合も、術後2~3カ月程度を目安に日常生活に戻ることができます。また手術後に通院治療を受ける場合、からだに負担がかかるので、慣れないうちは、病院の行き帰りや検査などで院内を歩き回り、思った以上に疲れを感じる場合があります。受診後の予定や仕事などは調整可能にしておくと安心です。

また子宮頸がんの手術や放射線治療を行った後に、足や下腹部がむくむことがあります。「リンパ浮腫(ふしゅ)」と呼ばれ、一定の割合で発症することがあります。この軽減には、弾性着衣による圧迫や運動が効果的とされています。自宅に戻ってからも、主治医と相談し、治療やケアを受けるとともに、ご自身でのセルフケアも大切になります。軽い運動やセルフドレナージ、スキンケア、弾性ストッキングを着用することなどを心がけましょう。

その後の暮らしで注意すべきこと

食事について特に制限はないので、栄養バランスを考えて楽しく食べましょう。また飲酒も節度を心がければ大丈夫です。ただし開腹手術や放射線治療後は、腸閉塞(ちょうへいそく)を発症する可能性があるので、食物繊維の多い食物や消化しにくいものは控えめにしましょう。

また退院直後は体力が低下しているので、無理をせず、疲れたらすぐ横になる、足を高くして休むなどを心がけてください。入院中のリハビリテーションは退院後もできる形で継続し、その後、体力の回復に合わせて軽い散歩などから始めて、少しずつ運動量を増やし、体力をつけていくようにしましょう。

経過観察の頻度と期間について

治療後の定期診察・検査は非常に重要です。もし再発や転移が分かった場合、早めに再治療に取り組むなど、上手にがんとつきあっていくことが大切です。
標準的な経過観察の目安は、
・1〜2年目    3カ月ごと
・3年目    3〜6カ月ごと
・4〜5年目    6カ月ごと
・6年目以降    1年ごと
となります。
再発は骨盤内で見られることが多いため、経過観察では内診、直腸診、膣の細胞診などが行われます。

また子宮頸がんは妊孕性(にんようせい・妊娠するための力のこと)や性交渉(子宮頸がんで気になること)など、極めてプライベートでデリケートなことに関係しています。精神面で〇〇がいい、〇〇をすると妊娠しやすい、といったうわさや民間医療は危険なことも多く、その結果、再発や転移を見逃してしまう可能性も高くなります。

なかなか話しづらいことではありますが、性交渉のことなども医師や看護師、がん相談支援センター、国立がん研究センター、がん情報サービスサポートセンター(外部サイト)などの専門機関に相談し、問題を解消していきましょう。患者会などの体験談も参考になるかもしれません。


【参考資料】
患者さんとご家族のための子宮頸がん・子宮体がん・卵巣がん治療ガイドライン第2版(2016年)(日本婦人科腫瘍学会編)(金原出版)
担当医としてこのように答えたい がん患者・家族からの質問(へるす出版)
国立がん研究センターウェブサイト「がん情報サービス」(外部サイト)
日本婦人科腫瘍学会ウェブサイト「市民の皆さまへ」(外部サイト)
日本産科婦人科学会ウェブサイト「一般の皆様へ」(外部サイト)

Hatch Healthcare K.K.

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