2017年11月、第二子が誕生しました。
次男が生まれたときは、僕は闘病真っ最中。本当に「生きてるだけで幸せ」というような状態でした。暗い世界にキラキラとした光が差し込んでくるような、そんな気持ちでした。第二子を授かったときは本当に嬉しかったですね。
家族のためにも長生きしたいと改めて思いました。
思い返せば2013年、転院先で精子凍結保存していたことが希望につながりました。
顕微授精を経て第二子となる次男を妊娠。その年の11月に生まれました。
罹患経験を活かし社労士に
第二子を授かったタイミングで今まで勤めていた会社を離職しました。社労士を目指すべく試験勉強をはじめました。社労士を志したきっかけは、自分のがん罹患体験がきっかけでした。
がんに罹患し、いろんな治療を経てせっかく助けてもらった命です。がん患者の方のために貢献できることはないか、と考えていました。そう考えたときに、社会保険労務士がいいなあと思い、闘病中から勉強を始めていました。もともと保険の営業を仕事にしていたので、FPの資格もありました。社労士を志すにあたり、病院での社労士の相談会や、相談支援センターも訪ねました。それは社労士が病院でどういったことをしているのかを探る、一種の偵察だったかもしれません。
2018年に一度試験には落ちたのですが、2019年に合格。2020年11月に社労士事務所を開業しました。開業した事務所では、がん患者支援を専門にしようと考えていました。就労支援とか制度の周知とか、障害年金の制度などが該当します。社労士は障害年金の手続きの代行もできるんです。ほかにも企業や病院を通してがん患者さんをサポートしていけたら良いなと考えています。
がん患者の方への制度的な支援は、告知を受ける最初の段階が結構大事だと考えています。がんになると会社を辞める方が2割ほどいらっしゃいますが、そういった離職は後々考えると絶対防ぐべきだと私は考えています。
それをサポートできるのは現状、病院や医師のアドバイスしかありません。そういう意味で、がん相談支援センターとなどと連携しながら、サポートできるような仕組みを作っていきたいです。
アイドルグループの応援が治療中のよりどころに
がんに罹患し、様々な困難を経験してきました。でも、好きなことや生きがいがあると、闘病生活には絶対プラスになります。
僕の場合は、あるアイドルグループが生きがいでした。そのライブに行くことが生きる目標になり、治療中のよりどころにしていました。周りのがん患者さんも好きなことを話すときはキラキラしていらっしゃいますが、辛い闘病生活の中、生きがいがすごく大事じゃないかと考えています。
もちろんアイドルグループと同じくらい、家族も大切です。家族には怒られてしまうかもしれませんが、個人的にはアイドルグループと家族、半々くらい、でしょうか(笑)家族は日常生活で、それとは何か違うところにもう一つ何か大きな楽しみみたいなのがあると、メリハリが持てて、いいのかなと考えていました。
がんになったから、と何もかもやめて治療に専念するのではなく、できるだけ周囲もなるべくサポートする。そういう考えの方が、治療や人生が楽しくなるんじゃないかと思います。うちの妻も、僕のライブ遠征を止めませんでした。それは大変ありがたかったです。