※本記事は、個人の体験談です。患者さんの体験談を元に記事にしており、本文中に具体的な病状や治療法なども出てきますが、あくまでも個人の例であり、病状や、治療効果は、個人個人で差がありますので、すべての患者さんへ適応できる状況、効果を示すものではないことを了承ください。
2022年4月から、わたしはオーナーシェフとしてキッチンカーの営業を開始、妻は育児休業を終え仕事に復帰と、家族で忙しく過ごしています。脳腫瘍患者であるということを普段意識することはありません。初めて経営者になったので慣れない部分も多いですが、これからもやれることはどんどん積極的にやっていきたいと思っています。
現在、基本的には実家の農園の敷地でキッチンカーを営業していることもあり、だんだん地元の人たちにも認知されてきました。お客さんと近い距離で接するなど、キッチンカーらしい試みをしてもっと盛り立てていきたいです。
経営者として働くようになったので時間の融通も利かせやすく、以前より家族の時間が持てるようになりました。このまま変わらない日常がずっと続けばいいなと思っています。
不安もあるが、考えすぎないよう意識
抗がん剤が終わってからは2ヶ月に1度の通院頻度です。脳外科の主治医はとてもよくしてくれていて、信頼しています。治療に不安を覚えることもないので、今後気になる症状が出てきたら、主治医と相談できれば大丈夫かなと思っています。
将来のことについて不安がないわけではありませんが、医学も日々進歩していますし、あまり考えすぎて悩まないようにしようと心がけています。
脳腫瘍は自分の「プロフィール」のひとつ
メディアのインタビューなどで脳腫瘍患者だと公表しながらキッチンカー運営をしていると、自身や親族もがんを経験したと声をかけてくれるお客さんもいらっしゃいます。
そんな時、がんって意外に身近な病気なんだと実感します。そうした経験から、がんになったことは自分の「プロフィール」のひとつで、この「プロフィール」は人と繋がるきっかけにもなるのかな、ととらえるようになりました。
患者サロンには近いうちにまた参加したいと思っています。以前参加した際は治療の真っただ中で無我夢中でしたが、今は体調も生活も落ち着いているので、こんどはがんを日常として受け入れて生活するなかでの工夫や心構えなどの話を聞いてみたいと思っています。
妻と話した「やりたいことは後回しにしない」
妻とは、家族でやりたいことがあれば、後回しにせずにすぐにやるようにしようと話しています。実際、家族旅行や、子どもが行きたい場所に行く時間を以前よりも率先して作るようになりました。
子どもたちはまだ小さいので病気の説明はしていませんが、通院も日常の1つとしてとらえてくれているようです。
若い方は、親や職場など周りにがんを公表することに不安を持つ方も多いかもしれませんが、いざ打ち明けてみたら理解してサポートしてくれる人も多くいると思います。わたしの話が、重い病気になったからといってすべてを諦めずに、前向きに進む参考になればうれしいです。