※本記事は、個人の体験談です。患者さんの体験談をもとに記事にしており、本文中に具体的な病状や治療法なども出てきますが、あくまでも個人の例であり、病状や、治療効果は、個人個人で差がありますので、すべての患者さんへ適応できる状況、効果を示すものではないことを了承ください。
2018年の1月頃、左の下腹部に違和感を覚えるようになりました。痛みではないですし、かゆみでもありません。お腹の奥で何かがつっかかるような「違和感」としか言いようがありませんでした。それを、日常生活の中で時折感じるようになったのです。そこで、近所のクリニックを受診しました。
検便で異常は見つからず。しかしおさまらない違和感
訪れたクリニックでは大腸がんを疑われ、検便をすることになりました。しかし、特に異常は見つかりません。医師からは「精神的なものではないか」と言われました。これまでも、同じように不調や違和感を覚えてクリニックを受診しても何もないことがあったので、「また、自分が気にし過ぎるだけで、何もないのかな」と思っていました。
しかし、その後しばらく様子をみましたが、違和感がおさまることはありませんでした。
CTで10センチ以上の「できもの」が見つかるも、がんだとは思わなかった
違和感が続いていた3月上旬のある日、時間が取れたので改めて総合病院を受診しCTを撮ってもらったところ、「左の下腹部に10センチ以上の大きなできものがある」と言われました。
ただし、「CTでは、できものがあるということ以上はわからない」とのことで、「もっと大きな病院で検査を受けてほしい」と言われました。すぐ受診できる大学病院の紹介状を書いてもらい、検査に向かいました。
その時点ではまだ、がんだとは思っていませんでした。「10センチか。結構大きいなあ」と驚きはしましたが、「治療を受ければ、できものはすぐに消えるのだろう」と考えていました。
家に帰って妻にも話しましたが、その時点では「あ、そう」とそっけない反応でした。私も妻も、がんだとは予想もしていなかったのです。
大学病院で1ヶ月かけて検査。悪性リンパ腫の疑いと診断される
大学病院には1ヶ月間で計4、5回ほど足を運び検査を受けました。できものの原因がわからなかったため、血液検査、造影CT、胃カメラ、心電図とさまざまな検査を受けました。
検査をしている間にも、下腹部の違和感は次第に強くなっていきます。その頃には「下腹部のできものが何かに当たる」という感覚になっていました。
この頃には、仰向けに寝ると、背中にできものが当たって痛みが走るようになりました。あまりに痛くて、仰向けに寝ることができないほどです。耐えがたい痛みにベッドに横になることもできず、ついにはリクライニングの椅子の上で眠るほどになりました。お酒を飲んだ後に、激痛が走ることもありました。検査の途中でしたが、このような状態ですから「これは確実に体の中で何かが起きている」と思っていました。
検査の結果、「血液のがんである、悪性リンパ腫が疑わしい」と診断されました。痛みの件もありましたので、このときは「やっぱり」と冷静に受け止めることができました。
ただし、「悪性リンパ腫かどうかは、生検をしないと確定できない」と医師から告げられ、2018年4月、生検のための開腹手術を受けることになりました。