左頸部のしこりが肥大化、悪性腫瘍の言葉が頭をよぎる
頸部にしこりが。妻の指摘で気付く
2017年の5月頃、左頸部にしこりのようなものがあることを妻に指摘されました。鏡を使って自分で見てみると、確かに1.5㎝程度の小さな腫れがありました。痛みは全くないのですが、触ってみると少し硬い。この時点では、あまり深刻に受け止めることなく放置していました。
時間が経つにつれ腫れはだんだんと大きくなり、6月下旬にははたから見てもわかるような大きさに。この時、直感的にこれはまずいかもしれないと思ったんです。そう考えて、とにかくまずは検査を受けてみようと、病院に予約を入れました。
病院選びの決め手は2つありました。一つ目はアクセスのしやすさ。自宅、職場から近い病院。もう一つは以前に受診したことがあったこと。もともとその病院には、がんとは関係のない消化器系の病気に罹患した際、一週間ほど入院したことがありました。まずは検査という段階だったので、病院選びについてはそれ以上の情報収集をしませんでした。とりあえず同じ病院の耳鼻咽喉科に予約をいれましたね。
海外旅行中に唾液に血が混ざる。夜通しネットで情報収集
検査を受ける前のことですが、旅行が趣味の私は丁度その頃、妻と10日間のカナダ旅行に行く予定を立てていました。もともと旅行のプランニングが好きで、今回の旅行内容も全て自分で計画。西海岸のバンクーバーから始まり、東海岸のトロントまで移動、ナイアガラの滝を見に行くプランでした。
シーズン的に過ごしやすい季節で、旅行の前半はいつも通り旅を楽しんでいたのですが、最後の方になると唾液に血が混じるように。うがいをすると血が混じっているんです。なんだかのどもつっかえているような感覚で…これは本格的にまずいなと。改めて自分の症状を夜な夜なネットで調べていました。もちろん妻には言っていません。妻にはあまり心配をかけたくなかったんです。
本格的にまずいなというのは、リンパ節の腫れでのどの出血がみられたときで正直とても不安でした。海外旅行中から病院で診断を受けるまでの時期が一番不安を感じていましたね。
強い不安から、旅先でも一晩中ネットで検索、ひたすら情報収集をしていました。もちろんがんではなく、良性のできものの可能性もありましたが、どちらにしろこの先の自分の人生を考えると不安でした。この段階では妻にも内緒にしていたので、相談相手もおらず、一人で悶々としたもの抱えている状態。朝になると、妻からは「元気ないね?」とか「今日ちょっと暗いよ?」と声をかけられたのを覚えています。私は私で「ちょっと寝不足で…」とお茶を濁すような回答。実際に寝不足だったので嘘ではなかったのですが。
がんを疑う
埼玉出身、大阪勤務。2016年に結婚。結婚後、一年で悪性リンパ腫に罹患。夫婦二人三脚で闘病。がんに罹患したことで、家族のあり方について深く考えるようになった。現在、奥様は妊娠中とのこと。