医師に提案された2度目のMRI検査。乳がんを確信するも冷静でいられた理由
再びMRI検査、がんに違いないと思いつつも冷静だった
2014年1月に受けた診察で医師から「新しい腫瘍ができています。もともと良性腫瘍がいくつかありましたが、MRI検査をしましょう」と言われました。
「ついにきた」という言葉が頭をよぎりました。
最初の精密検査以降、MRI検査を受けることはなかったので「きっとがんに違いない」と確信めいた予感があったんです。一方、新しい腫瘍が仮に悪性だったとしても、取り乱すことなく冷静に対処しなければと、気持ちを落ち着かせている自分もいました。
自分が冷静でいなければいけない理由が別にあったため、不安になってひどく落ち込むことはなかったです。
3年続けた経過観察。がんを受け入れる準備ができていた
私が冷静でいなければならない理由は夫にありました。
少し前から夫は体調を崩しており、大がかりな検査を受けていました。どうやら、がんの疑いもあるようでした。結果的には悪性ではなく安心しましたが、万全の状態ではない夫を心配させたくはなかったので、確定診断を受けるまでは自分の状況について伝えませんでした。
私の家族は夫と子どもが二人。当時は長女が高校生で長男が中学三年生でした。息子は2月に高校受験を控えていました。心配をかけて動揺させたくないという思いから、夫だけでなく子供たちの前でも普段通り冷静でいるように努めました。
冷静でいられた理由が全て家族のおかげかと言ったらそうではないかもしれません。過度に落ち込まなかったのは、これまで3年間、定期検査を受け続けていたのが大きい気がします。
はじめてMRI検査を受けたときには強い不安を感じましたが、それ以降、自分自身ががんかもしれないという恐怖が薄れていったのだと思います。ですから突然告知を受けてひどくショックを受けるようなことはありませんでした。自分ががんになることを受け入れる準備ができていたのかもしれません。
信頼できる上司。乳がん確定前に包み隠さず全てを伝えた
医師にMRI検査の話をされてすぐ、職場の上司にはがんの可能性がある旨を伝えました。まだ確定診断を受ける前でしたが、当時の職場環境的に早め早めに伝えた方がいいなと考えました。
もう一人の社員と二人三脚で仕事をしていたのですが、当時は相棒であった彼女がちょうど産休に入ったタイミング。彼女の代理として新しく派遣の方が入りこれから仕事を覚えていく段階だったんです。
上司は50歳前後の男性。普段からコミュニケーションをよく取っていて信頼のおける方だったので、自分が乳がんかもしれないと伝えることに迷いはありませんでした。
上司の席は一人島。プライベートな話をしても他のメンバーに伝わらない場所だったので、直接席に伺い「がんの疑いがあり、検査のため仕事を休ませてほしい」と伝え、これまでの経緯を含め包み隠さず説明しました。
健康診断での医師の指摘をきっかけに受診し始めた経過観察によって乳がんが発覚。手術後1年の節目に行った検査で子宮筋腫の悪化が発覚する。当初は女性ならではの箇所のため強い喪失感を感じる。現在は社内のがん経験者のコミュニティに参加。がん罹患者の経験を活かし、働きやすい環境作りに従事しているとのこと。