知人の麻酔科医に病院選びを相談。決め手は医師の説明に納得できるかどうか
慎重になった病院選び。麻酔科の医師にどこにすべきか相談した
がんと診断を受けた病院でも手術は可能でしたが、病院選びは慎重に行いました。信頼できる医師に自分の身を預けたいと考えていましたし、一度治療が始まってから転院することは難しいだろうなと思っていたからです。
がんと診断を受けた病院の医師は「自分の病院でも手術はできますが、他の病院で手術を受けられても構いません」と仰ってくださいました。じゃあ、納得がいく病院を自分で探してみようということで病院選びに入りました。ただ、できるだけ早く手術をした方がいいと勧められていたこともあって、どうすべきか考えた結果、部下の友人である麻酔科の医師に話を聞きに行くことに。
麻酔科の医師は他の科と連携する機会が多いですし、外科手術の執刀実績にも詳しいだろう。他の科の医師を正しく評価できるのではないか。そんな考えから麻酔科の医師に相談しました。
結果的にその麻酔科医から勧められた病院を受診、そのまま手術を受けることに決めました。それ以外の情報収集はあまりしませんでした。告知を受けても仕事に追われ時間的な余裕もなかったですし、医師の説明を伺って納得がいくものであればそれで問題ないと考えたのです。
セカンドオピニオン。興味はあったが、受けなかった
病院選びが重要だと思っていたので、身近な人の話は聞きましたが、それ以上の情報収集はしませんでした。セカンドオピニオンも気にはなりましたが受けませんでした。
私が病院選びで一番大切にしたのは、医師の説明に納得感をもてるかどうか。入院することになる病院の主治医の説明は丁寧で十分納得が行くものでした。また、話をしていても相性がよく、上手くコミュニケーションが取れているように思われました。実際その主治医とははじめて会ってから13年、長い付き合いになりましたね。
セカンドオピニオンを受けることで、今の主治医が話している内容とは違う情報が入ってくるかもしれない。そこで新たに迷いが生じたくないと、考えたんですね。
自分で得た情報よりも、主治医の説明を信頼した
今でこそインターネットから書籍まで、がんにまつわる情報が身近に溢れていますが、当時の私は自己流で得た情報に頼りすぎるのはいかがなものかという気持ちが多少ありました。それよりも専門家である医師同士のつながりの中で、評価されている医師を信頼しようと。それが一番ではないかと私は思いましたね。
ただし自分のように医師を信頼しなさいと他人に勧めることはしません。自分の場合は、医師を信頼したことが功を奏しただけなので、違うケースもありえるはずです。
もちろんセカンドオピニオンを受けることを否定しませんし、人それぞれの情報収集があってしかるべきだと思います。ただ単純に、納得が行く説明をしてもらえたなら、それを信頼しようというのが私の考え方でしたね。
取締役として大きな重責を担っていた2007年に大腸がんが発覚。強い意志をもって早期の職場復帰を目指すも、術後後遺症のために辞職することに。一年の自宅療養を経て社会復帰し、新規事業の立ち上げ業務で活躍。罹患後に飼い始めた愛犬とは今でも欠かさず、朝晩の散歩をしている。