術後しばらくは水すら飲むことができず辛かった
術後は食事の適応に苦しみました。
なかでも辛かったのは、水を飲めなかったことでしょうか。これは本当に辛かったです。発熱の症状も出ていたので…。これまでの人生で水が飲めないこともなかったですし、さすがにしんどかったです。数値が安定してきた頃に、ようやく水を飲めるようになりましたが、今度はしばらくの間は水しか飲めない。次は何か食事をしたいとの欲が出てきましたね。
最初は流動食のような食事がでてきて、だんだんと重湯からお粥に変わっていくような感じでした。食べ方については栄養士の方に教わっていましたね。
具体的な指導内容は主に2つで、一回に飲み込む量を少なくすること、よく噛んで食べること。特に口酸っぱく言われたのは、噛んで飲み込んだ後、30秒くらい間隔をおきなさいということ。これはかなり指導されました。
ダンピング(国立がん研究センターがん情報サービス「ダンピング症候群」)を恐れていたので入院中はかなり意識して食事をしていました。出されたものを素直に食べるだけなんですけど、びくびくしながら少しずつ食べる量を増やしていった感じですね。
食べられるものに関して言うと、看護師さんからもらった紙に書いてあるものを中心に食事をしていました。これについては妻にも共有してチェックしてもらっていましたね。
初めてのダンピング。食事をするのが怖くなった
ただ、退院の1日ぐらい前に、調子に乗って食べ方を守らずに食事をしてしまったんです。そこまで慎重に食べなくても大丈夫なのでは?と、普段通りに食べたら思いっきり戻してしまいました。
この時は結構な量を吐いてしまいました。医師からは、入院中に一度経験しておくといいよとは言われていたのですが、かなり辛かったです。ダンピングはこれまで経験したことがないので、上手く表現できないのですが…。じわじわ何か来るというか、身体が重くなるような感じになって、脂汗が出てくるんです。
吐いたからといって、すぐに楽になるものでもなく、しばらくはだるさが残って、1時間ほど横になっていると楽になってくる、私の場合はそんな症状でした。
その後、退院もして自宅に戻ったのですが、食べること自体が怖くなってしまって、しばらく何も食べられなかった時期もありましたね。
よく噛んでゆっくり食べる。ダンピングを起こさない食生活
入院中のダンピングの件もあり、退院後の食事は今まで以上に気を付けるようになりました。これまでは牛丼やカレーなどガッツリとした料理を好んで食べていましたが、現在は野菜中心の食生活。
仕事がある日の朝食や昼食は細心の注意を払っています。ダンピングになってしまったら仕事に影響が出てしまいますので。具体的なメニューをお伝えすると、朝食はヨーグルトやゼリー飲料など流動食に近しいもの。昼食は職場近くの蕎麦屋に行くことが多いです。そこのお蕎麦であれば体に影響が出ないことが分かっているので、基本的にはそのお店によく行きます。お蕎麦の量は1人前じゃなくて半人前。
忙しいときはコンビニで済ませることもありますが、買うものはおにぎり1個とチーズとか。あまり食べ過ぎないようにしているので、定食屋には行かなくなりましたね。
食べるものだけでなく、食べ方にも気を使っています。一回に食べる量も少なめですし、よく噛んでゆっくり食べることを意識しています。ダンピングの症状を引き起こさないためにも早食いは厳禁ですね。
体重にも変化。軽食を持ち歩きこまめな栄養補給を心掛ける
これまでのようにガッツリ食べることがなくなったので、代わりにこまめな栄養補給を心掛けています。飴をなめたり、ゼリー飲料や栄養のある固形ビスケットを食べたり。ちょっと小腹が空いたときに食べられるよう、常に軽食を持ち歩いています。
仕事中に空腹を感じることもあるので、デスクで少し食べることも。飴やビスケットなら匂いがすることもないですしそこまで周りに気遣うことなく口にしています。常に食べているわけでもないので同僚たちもそんなには気にしていないかなと思っています。