切れるチャンスがあるなら切りたい。自分で決めた胃の全摘手術
セカンドラインか胃の全摘手術か。2つの選択肢で迷った
ファーストラインの抗がん剤治療は8クールあたりで効果が薄れてきました。その時点で私の選択肢は2つ。セカンドラインの抗がん剤治療を受けるか、胃の全摘手術をするのか。主治医の腫瘍内科医からは手術ではなく、セカンドラインを勧められました。外科の医師も同意見。あなたの状態では切れないと言われ、この病院では手術ができないことを暗に告げられました。
一方で主治医からは、どちらを選択するかはあなたの自由だとも言われました。もし切りたいなら手術ができる病院を紹介してくださるとのこと。正直とても迷いました。
誰かに相談したかったのですが、抗がん剤治療を始めた時点で参加したがんコミュニティで出会った、がん友達に相談することはなかったです。仲良くなったがん友達は同じ胃がんでステージⅣ。切りたくても切れない方々もいるので、そういった方々に配慮すると、やっぱり相談できないなと。
夫にもそんなに相談しなかったですし、この時ばかりはセカンドオピニオンの利用も真剣に考えましたね。でも結局使わなかったです。
手術を選択。決断は辛かったが、自分で決められて良かった
最終的には手術を選びました。
決め手は、上手くいけば腫瘍を取り切れるかもしれないという希望です。私の中には、がん=切れば現状よりは良くなるのではないかとのイメージがあったので、切れるチャンスがあるなら切りたいと思ったんですね。切ってすっきりしたかったという気持ちもあります。ただこの選択に関しては誰かが背中を押してくれることはなかったです。最後は自分で決断しました。
正直に言うと、自分で自分の治療方針を決めるのはとても辛かったです。でも選択肢が与えられなかった方がもっと辛かったかなと今では思います。もしあの時、主治医に「セカンドラインの抗がん剤治療に進みましょう」と言われ、手術を選択していなかったら、果たしてその治療方針に納得できたかは疑問です。
主治医にすべての選択を委ねていたら、ひょっとしたら後悔していたかもしれません。だから今では、あなたが決めて下さいと言ってもらえたことを感謝しています。たしかに自分で治療方針を選ぶことはしんどかったですが、がん患者誰しもが悩むところなのかなと思いました。
手術を受けるため一時転院。手術翌日からリハビリも
手術を受けると決めたので、一時的に違う病院に転院しました。入院期間は2週間くらい。主治医から紹介を受け、紹介状や検査データを持って行ったので、またイチから検査をすることはなかったです。造影CTだけ取りました。
手術は約7時間ほどだったとのこと。手術が終わりましたよと声を掛けていただいて起きました。
手術翌日からリハビリのため歩行訓練が始まりました。初日は20mくらい歩いた気がします。お腹からドレーンも出ているし、傷口も痛むしで結構しんどかったですね。2日目は発熱と息苦しさがあって抗生剤を点滴してもらっていたのでリハビリは2日間お休み。4日目からまた歩きはじめました。初日よりはまだましかなという程度でしんどいことには変わりなかったですね。
入院中に悩まされた痰の問題。術後5日目から痛みが薄れた
歩行以外で悩んだのは痰の問題。お腹に力が入らないので痰を出すのが困難で…。吸引もできたそうなのですが、それはそれで苦しさもあるとの話を告げられました。我慢できるところまでは自力で頑張ろうと思って、機械には頼りませんでした。
結果的に、痰の吸引をお願いすることはなかったのですが、笑うだけでもお腹に痛みが走るほどでしたので、痰を吐くたびに感じる痛みも強かったですね。
ただ、術後5日目あたりからお腹に強い痛み走るようなことはなくなってきました。1週間あたりでドレーンが抜けて、その頃には院内をぐるぐる歩き回れるほどに回復していた気がします。
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6月
ある日、突然襲われた下血と吐血で救急搬送。緊急搬送先の病院で胃がんの告知を受ける。ステージⅣのがんに罹患していることを知人や周囲の人に隠さず、応援してもらいながらの治療生活。治療と子育ての両立をしながら、毎日を過ごしているとのこと。