人生初のがん検診。受診のきっかけは父の罹患歴
2014年12月、60代にして人生初のがん検診を受けました。
春頃には自治体からがん検診の案内が届いていました。過去にも自治体からは案内が届いていましたが、仕事にかまけてがんを自分事としては捉えられず、気付けばいつも受診する機会を逃していました。
そんな私ががん検診を意識し始めたきっかけは、父の死です。父は定年後に前立腺がんが発覚、初期段階だったため監視療法で対処していました。しかし数年後、尿道ガンに罹患。2度の手術と入退院を繰り返したのち、89歳で亡くなりました。そんな父の前立腺がんが発覚した父の年齢に自分もなったことで、一度自分も調べてもらった方がいいなと。がんに関しては遺伝という話も耳にしていたので、ひょっとしたら自分も…と気になりました。
案内に記載されていた通りに、地域の中核病院にがん検診の申し込みをして、肺がん、前立腺がん、大腸がん、胃がん、これら4種のがんに関わるがん検診を一通り受けました。
胃がんと前立腺がんの疑い、精密検査へ
検診を受けた病院から、「検診の結果が出ていますから、ご都合のいい日にいらしてください」と電話があり、早々に病院へ。前立腺がんのPSA値が6.3、胃がんの病理検査が陽性とのこと。どちらも精密検査となりました。
私は精密検査を受けるため診療科をそなえた病院へ行くことになりました。胃に関しては検診を受けた病院では診療科がないため治療ができず、紹介していただいた地域の中核病院へ行くことに。前立腺の方はがん検診を受けた病院に泌尿器科がなかったため、専門の泌尿器科で検査を受けに行ってくださいと告げられました。
前立腺の精密検査を受けるための病院選びで重視したのは治療になった場合を考え、紹介状が必要ないことと、家からのアクセスです。最初は治療実績のある中核病院、がんセンターなどを探していたのですが、治療まで4か月以上待つなどなかなか見付かりませんでした。結局、検査を優先し専門の泌尿器科がある近所の中核病院に行くことに決めました。
当時子供たちは30歳と27歳。2人とも1人暮らしをしていましたが、近県に住んでいました。万が一入院することがあっても、家族が付き添いに来やすいという点も決め手になりました。
がん検診の結果を受け、仕事のことが頭をよぎる。2月は繁忙期だった
がん検診の結果を医師から伺った際に「万が一がんであっても早期発見なので命に関わるレベルではない。治療の開始は早いに越したことはないが、焦る必要はない」と言われました。
父ががんを患っていた際に、家族の立場で医師から説明を受けていたので、前立腺がんに対してはなんとなくの知識はあり、深刻に考えませんでした。他方で、胃がんに関しては知識がなかったので、胃がんの疑いも告げられたときは流石にドキッとしました。
仕事のことも頭をよぎりました。働いていた職場の繁忙期は2月。この一番忙しい時期に仕事を休むのか…と。医師から焦る必要はないことと、検査を進めないと実際の治療方針なども出ないので、検査だけは積極的に受ける事にしました。
当面はしっかりと検査を受けるに止めて、長期の休暇を取ることはありませんでした。そのような対応になったのは、比較的融通の利く職場だったことも大きいです。会社に状況を伝えると、仕事の心配をせず治療に専念し早く職場に戻ってきてほしいとのことで、検査入院などで休む際も柔軟に対応してもらえることになりました。