がん再発の予兆は「咳(せき)」
判明前から咳(せき)をすることが増え、術後の定期検診の際、主治医には咳が気になることを伝えていました。主治医からは、手術で右肺を全摘しているので咳が出やすくなるとの答えが。このときには手術の後遺症なのか、再発の予兆なのかまだ判別できない状況でした。
遠隔転移と診断。抗がん剤治療を思うと辛かった
2018年12月に右の鎖骨上のリンパ節と、右臀部にしこりがあることを自分で確認。12月は定期検診の予約がなかったため、不安ながらも様子見をしました。年が明けて2019年の1月に定期検診を早めてもらい受診。PETなどの精密検査を行いました。
検査の結果、遠隔転移と診断を受けました。
このときは、2018年5月に肺がんが判明したときよりも辛かったです。手術で一度は大丈夫だと思ったものの、やっぱり遠隔転移していた。それがショックでした。また、いよいよ抗がん剤治療が始まるのかと暗い気持ちにもなりました。
ただ、転移したといっても主治医への不信感などは湧いてこなかったです。事前に、再発する可能性も否定できないことを説明されていました。転移は残念でしたし、ショックでしたが、なんとか受け止めようと思っていました。
セカンドオピニオンを受けるか悩む
転移が判明したあと、セカンドオピニオンを受けるかとても迷いました。
主治医の治療プランを聞いてから、セカンドオピニオンを受けるかどうか決めようと考えました。
治療プランを聞いたところ、少しでも治療を急いだほうが良いと考えるようになりました。当初セカンドオピニオンを希望するつもりでしたが、最初の手術のときと同様、時間を優先して受けませんでした。
時間を優先したというのもありますが、私の場合は知人の薬剤師から治療方法を聞いて、前提知識があったのも大きかったと思います。病院側から提示された治療プランが想定していたものと一致したので、主治医の提案に「それでいきましょう」とすんなり決めることができました。
抗がん剤3剤を4クール。副作用のしゃっくりに苦しめられる
抗がん剤治療は化学療法2剤、免疫チェックポイント阻害剤1剤を3週間ごとに、3剤を4クール予定。5クール目からは1剤をやめて、残り2剤で維持療法を続けるというプランでした。
1クール目から3クール目まで副作用はあまり感じられませんでした。ただ、吐き気を抑えるための薬の副作用でしゃっくりが頻繁に出てしまい、なかなか止まらず体力的にも苦しかったです。
副作用でしゃっくりが3日間、昼夜を問わず続きました。一回のしゃっくりは30分から1時間ほどで治まりますが、それがまた始まり3日間ずっと続くんです。
私だけでなく、一緒に暮らす子どもや妻も止まらないしゃっくりが気になっていたと思います。
副作用でしゃっくりが出るということは事前に知ってはいましたが、これほど辛いとは想像していませんでした。
それ以外の副作用は大したことはありませんでした。右足のふくらはぎに筋肉痛が出ましたが、それくらいだったと記憶しています。
抗がん剤の副作用で胃のムカムカ感はあるも、食欲は旺盛
4クール目以降は、胃に少しムカムカ感が出てきました。おそらく2剤のうち1剤の副作用とのことでした。私はその副作用が1週間ぐらい続きました。そのほか、体中に若干の倦怠感と、咳をするとなかなか止まらないということもありました。
ただ、ムカムカ感はあるものの食欲は相変わらず旺盛でしたし、嘔吐などもなく、食事は普通に取れていました。
2019年1月からはじまった抗がん剤治療でしたが、4クール目が終わったのがその年の4月でした。
副作用でつらいときなどは会社を休むこともありました。このころ、妻が家計を支えてくれました。パートから正社員に形態を換えて、本格的に働き始めてくれていたんです。私がもし会社をやめることになっても生活に困らないような状況を作ってくれました。
2018年6月、会社の健康診断をきっかけに肺がんが判明。コロナ以降は在宅勤務主体で以前からの仕事を継続。子どもとのコミュニケーションが増加したと感じる日々。