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  • 肺がん・肺腫瘍

2020年10月 在宅勤務

「在宅勤務」の定着で助けられたこと

新型コロナウイルス感染症の影響もあり、在宅勤務主体で仕事を継続しています。生活は一変しました。

がんについて家族や親族には全て情報を開示し相談しており、職場にも現在の状況の報告は定期的にしているのですが、それがきっかけで助けられたことがあります。こうしたご時世もあるかもしれないのですが、自分の病状など詳細まで伝えることで、より病気に対して寛容な対応をしてくれるようになりました。

私は手術で右肺を全摘したため、片肺だけになっています。感染症には人一倍気を遣っているつもりです。風邪やインフルエンザになることはできるだけ避けたいと考えていますので、在宅勤務のほうが感染リスクを抑えられます。生活は一変しましたが、個人的には助かっています。

飲みニケーションは減少も、子どもとのコミュニケーションは増加

在宅勤務で、どうしても会社の同僚とのコミュニケーションが希薄になってしまった面があります。関係性が悪くなったということは一切ないのですが、飲みに行くことなどが一切できなくなりました。営業の強い会社でもあり、もともとは飲み会でのコミュニケーションが好きな人が多い職場だっただけに、それは少し残念です。

会社とは逆に、家族とのコミュニケーションが増えました。子どもと過ごす時間が増え、習い事に私が連れて行ったり、宿題を手伝ったりする時間が取れるようになりました。以前よりも父親としていろんなことをしてやれていることに充実感があります。

家族は良くも悪くもがん罹患前と同じ対応に

闘病中、複雑だったのは、病状が快方に向かっていくにつれて家族から特別扱いされなくなっていること。

抗がん剤の副作用がちょっと辛いというのはありますが、おかげさまで治療開始時よりは病状が良くなってきています。家族も今の状況に慣れてきているのか、私に対してがんになる前と同じような扱いになってきています。がんに罹患し体調や生活を配慮してもらっていたのに、急になくなってしまったのはちょっとさみしいなと思いますね。

妻も自然に振る舞ってくれています。ケンカしたときなんか、厳しいことも普通に言われますからね。もっと丁重に扱ってよって思うことも……。でも、それは以前の生活に戻りつつあるということですから、ある意味幸せなことではありますよね。

がんを経験し、何気ないことにも幸せを感じられるように

今のように普通に仕事ができていて、趣味を楽しんで、家族と過ごす、それだけで幸せなことなんだって感じられているんです。

私も一時期悲観し、治療中に辛い気持ちになったこともあります。それでもこうして過ごしていること自体が幸せだという感覚でいます。がんになるまでは、そんなこと思いませんでしたね。

がんをきっかけに感じた何気ない日常の尊さを噛みしめて、これからも暮らしていきたいと思っています。

Hatch Healthcare K.K.

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