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2013年7月 肺血栓塞栓症・リンパ浮腫

緩和ケア認定看護師との出会い

※本記事は、患者さんの体験談であるため、具体的な病状や治療法なども出てきますが、あくまでも個人の例であり、病状や治療効果は、個人差があります。すべての患者さんへ適応できる状況、効果を示すものではないことを了承ください。


膀胱がん術後におこった血栓症

膀胱がんの手術後、一度は退院しました。ですが、1ヶ月ほど経った頃に経過観察で病院に行った際に、下肢に血栓ができて肺に飛ぶ「肺血栓塞栓症」が起こっていることがわかりました。飛行機に乗った時に血栓ができて肺に飛ぶ、いわゆるエコノミークラス症候群のことです。手術の後は身体をあまり動かせないので起こりやすいそうです。発症がわかったと同時に「そこから動かないで、起き上がらないで」と指示があり、即入院となりました。

3ヶ所に血栓が飛んでいたらしいですが、苦しいという症状はありませんでした。入院にしている2週間は、血栓を溶かす点滴を受け、起き上がることも禁止され、じっとベッドで寝ていました。退院時は、そけい部に血栓の原因となる血のかたまりはまだあるものの、剥離(はくり)する心配はなくなったとのことでした。以後、血液をサラサラにする飲み薬を3ヶ月程服用することになりました。

膀胱がん術後のリンパ浮腫と緩和ケア認定看護師との出会い

血栓だけでなく、リンパ浮腫にも悩まされました。下肢がむくんで、右脚がパンパンに膨れてしまっていたんです。歩く時「右足を重たそうに引きずるように歩いているよ」と妻に言われました。

私はリンパ節郭清をおこなっているため、リンパ浮腫になりやすいそうです。膀胱全摘手術の際、がん細胞がリンパ節を通って全身に広がるのを防ぐために、リンパ節郭清(かくせい)も受けました。そのことでリンパの流れがさえぎられたのが原因のようです。

私の場合、リンパ浮腫によって右脚と左脚で周囲径に10cmの差がありました。リンパ浮腫については膀胱がんと担当が違うとのことで、同じ病院の外科を受診することになったのですが、弾性ストッキングを履く、右脚を上にして寝る──とのアドバイスがあっただけでした。通っていた病院にはリンパ浮腫を専門とする医師がいないそうで、いったいどうしたものかと思っていました。

そんな時、病院の患者サロンでリンパ浮腫についての勉強会があり、緩和ケア認定看護師の方と出会いました。勉強会の後に残って「リンパ浮腫改善のために何をしたらよいのかわからない」と相談したんです。右そけい部に血栓のもとがあることも伝えました。

緩和ケア認定看護師さんは、一緒に対処法を考えてくれました。また、定期的に外科医に右そけい部に血栓のもとの状況について確認もしてくれました。(リンパ浮腫軽減目的で行う)用手的リンパドレナージの方法も、この緩和ケア認定看護師さんに教えてもらいました。現在では脚の周囲径の左右差が5cmくらいに改善しています。教えてもらったマッサージは、今も続けています。

弾性ストッキングを履くように外科医から勧められ、太ももの部分がゴムで囲われている弾性ストッキングを使用していたんですが、皮膚が弱かったのでかゆみがあったり、ミミズ腫れになったりしていました。

外科医に話しても「薬を塗ってください」とステロイド剤を処方されるだけ。でも、緩和ケア認定看護師さんは「こんな弾性ストッキングがあるよ」と、腰ベルトで固定するものを紹介してくれました。変えてからはかゆみもなくなって、ストレスが一気に解消した感じでしたね。

リンパ浮腫で大変だった時に、緩和ケア認定看護師さんに出会えたことは本当に幸運でした。

私から質問するだけでなく、緩和ケア認定看護師さんからも、患者側としてどう思うかなど質問を受けることがありました。お互いの意見を交換して、win-winの関係を築けました。患者サロンに出合い、そこから広がった人間関係は私の宝物になっています。

Hatch Healthcare K.K.

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