※本記事は、患者さんの体験談であるため、具体的な病状や治療法なども出てきますが、あくまでも個人の例であり、病状や治療効果は、個人差があります。すべての患者さんへ適応できる状況、効果を示すものではないことを了承ください。
仕事を続けるうえで大切だと感じた「言葉にして伝えること」
現在は、病状について職場の人に説明した上で、病院に行く時間を作るためフレックスタイムで勤務しています。職場の理解が得られたことはありがたいなと思います。
がんの治療をしながら仕事を続けている人も多いと思います。私の経験から言えるのは「言葉にして伝えること」は大切だということでしょうか。
自分の体調や想いなどは、言葉にしなければ相手に伝わらないこともあります。仕事を続ける上で、悩んでいることやどうしたいのかを言葉にして話すことは大切です。話すことで自分の心が整理されたり、解決方法が見つかったりすることもあります。
治療をしながら仕事を続けるには、自分にできることとできないことを整理し、はっきり伝えることが重要です。ただ、できないことを強調する必要はないと思います。今まで通りできることについては、しっかりアピールしていいと思います。
人それぞれ考えがあるでしょうが、私は、がんになって会社に迷惑をかけるから辞めるという決断は急いでする必要はないと思います。
今後どうなるかわからない状況だからこそ、先が見えてから考えたほうがいいと思います。
就労可能年齢のがん罹患者数は増えてきているそうです。またがんは不治の病ではなくなりました。大切な従業員が病気で辞めてしまうのは企業にとっても大きな損失です。患者も企業も治療と仕事の両立ができるように取り組んでほしいです。
近頃は、がん相談支援センターなど、がんと仕事について相談できるところもたくさんあります。信頼できるところを探して相談するのもいいと思います。実際、がんと診断されて仕事のことで悩んでいる方に、私はそのように伝えています。
病院でも感じた言葉にすることの重要性
言葉にすることは、がんになってからより意識するようになったかもしれませんね。痛い時や苦しい時、悩んでいるときは言葉で伝えることが大切です。話した時からその患者にとっての最適な治療が始まります。
病院でも、日頃から感謝の言葉を伝えるようにしています。直接伝えることもそうですが、入院中は院長回診の際に病棟の看護師さんたちへの感謝を伝えていました。病院に提案書箱があったので、そこにメッセージを入れたこともあります。
感謝の言葉を伝えたことで、病棟全体のモチベーションが上がったと聞きました。やはり言葉にして伝えることは大切だと感じましたね。
感謝の言葉をはじめ、様々な想いをこれからも言葉にしてきちんと伝えていきたいなと思っています。