がんに罹患してから家族のサポートを受ける機会が増えました。特に母、姉、姉の夫には病院への付き添いからがんの情報収集まで、全面的にサポートして貰いました。もちろん感謝はしてもしきれないのですが、家族のありがたみを改めて再確認したかというとそうでもないんです。
あくまで私の個人的な感覚で言うと「ワンチーム」という表現が近いかなと思っています。がんと戦うのは私に任せてという気持ち。その分、家族のみんなは私のサポートをして!と思っていました。家族のサポートが当然だとは思っていませんが、過度に感謝するという感じでもなく「ワンチーム」でがんと戦っていました。もし家族の誰かががんになっていたら、私は不安でとてもじゃないけどサポートできない。だから私ががんになって良かったなと、心からそう思っています。
検査のために家族と一緒に各科を回ったのは楽しい思い出
告知された頃の思い出として色濃く残っているのは、検査で家族と一緒に院内を回ったことでしょうか。紹介された病院では初診のタイミングで組織診を実施。検査から3日後、医師からは「がんです」と伝えられました。
検査のためにカルテを持って家族と院内の各科を回りました。これが結構楽しかった。いままで自分の体をいたわったり向き合ったりすることがなかったので、なんだかはじめて自分にイイことをしている感覚があったんです。検査のタイミングでは私からお願いすることなく家族の誰かしらが付き添ってくれたのでとても心強かったですね。
治療を経た今でこそもう、がんを怖いと思うことはありませんが、当時は何も知らなかったのでとにかくがんが怖かった。未知のものだから怖いと思っていたんでしょうね。漠然とした恐怖心を持っていたせいか、自分で乳がんの対策や情報などを調べることができませんでした。そのときは伴侶がいなかったので、自分が調べられなかった分、家族がネットで調べてくれたり、本屋に足を運んだりと、情報収集の手助けをしてくれました。
食生活に気をつかい、規則正しい生活を心がける
家族が生活に関する情報を調べてアドバイスくれたこともとても印象に残っています。それで1年間、がんに向き合うと同時に食生活に気を使い、規則正しい生活を送ってみることに。正直「がんが治るならいくらでもやる!」と藁にもすがるような思いもあって。それからというもの、世界を飛び回る時差ボケ昼夜逆転生活から一転、規則正しく早寝早起き、食生活に気をつかうこれまでとは真逆の生活がスタートしました。