大腸手術で食生活が一変。妻の手作り弁当があったから食事制限を乗り越えられた
食生活に変化。妻が体調にあわせて弁当を作ってくれるようになった
がんは治療中だけでなく、治療後の生活にまで変化を及ぼします。大腸を手術した私の場合、どうしても食生活に影響が出ました。
現在もカップラーメンのような化学調味料が入っているものは食べませんし、飲み物ならリン酸が入っている炭酸水などは飲みません。がんに罹患する前は、お酒が好きで機会があれば飲んでいたお酒も今ではごくたまにたしなむ程度。家でワインを飲むときも、合成保存料が入っていないものを必ず選びます。
このように食生活の面で大きな変化があったのですが、それに応じて妻にも変化が起きました。私の体調にあわせてお弁当を作ってくれるようになったんです。油ものが入っていない、野菜や魚を中心としたヘルシーなお弁当で、今は昼食にそのお弁当を食べています。この年で愛妻弁当ではないですけど、自分の体調を気遣って、かつ好きなものでお弁当を作ってくれていることは本当に嬉しいですし、感謝の気持ちしかないです。
油ものを控えるように。ただ金曜日の夕食だけは特別
大好物だった油っこいものも、お腹が緩くなるので今ではほとんど食べません。出張先では美味しいご飯やお酒が楽しみでしたが、移動中のトイレなどが心配で、最近では何も食べずに帰ってくることもあります。
というのも以前、高速道路のインターで天ぷらうどんを食べたら、乗車後すぐにトイレに行きたくなったんです。次のインターまでトイレはありませんから焦りました。天ぷらうどんの油が腸を刺激してしまったのかもしれません。それ以来油ものを控えるようにしています。ただ金曜日の夕食だけは特別。唐揚げや豚カツのような揚げ物を好きなだけ食べるようにしています。
今では腸の機能が戻ってきたのか、お腹が緩くなることは減ってきました。大体2019年の頭くらいからでしょうか。このあたりは本当に個人差があるようで、同じく大腸をやった人でも、何も変化がなかった人もいました。
仕事は順調。残業規制がかかるほど…
職場復帰は順調です。がんの影響はほとんど気になりません。体調も悪くなかったので以前と同じように働いていたところ、産業医の先生から「もっと自制するように」と残業に規制がかかってしまったほど。
今でも3か月に1回の血液検査があり、半年に一回は血管造影剤を入れてCT検査が続いています。術後5年間は必ず検査が必要らしく、そのうち半年に一回は血管造影剤を入れています。大腸がんは肝臓に転移するので肝臓を徹底的にみるような形ですね。
2010年東京マラソン出場に当選し、念のために受けた健康診断をきっかけに精巣腫瘍が発覚。抗がん剤治療を受け、2011年に職場復帰。2016年に健康診断で原発性の下行結腸がんが発覚。手術を受け、無事回復。現在はがん体験者として支援活動にも力を入れている。