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  • その他のがん(中咽頭がん)

2018年3月 自宅療養

療養期間の4ヶ月を夏休みと捉えた。治療前に作成した「やりたいことリスト」に向き合う

心身ともに整えた状態で職場復帰をするため、自宅で療養することに

放射線治療は4月末に終了。ただ、喉の痛みは残っており味覚も戻っておらず、食事も胃ろう中心。これでがんの治療がすべて終わった実感はあまりありませんでした。

一方で早めの職場復帰を希望していたので、当初は6月以降の復帰を目指して会社と調整。治療効果は8月の検査まではわからないので、会社からは検査結果が出るまでは療養を勧められました。

職場復帰をするにあたり会社から告げられたことが2つありました。一つは復帰する際は100%に近い状態でのフルタイム勤務が望ましいこと。もう一つは継続性を担保できる形で復帰して欲しいとのこと。弊社の期の始まりが9月ですので、それまでに会社の動向に変化があるかもしれないことも告げられました。

治療明けで体力にも不安を感じていたので、心身ともに整えた状態で職場復帰させてもらえるならと、お言葉に甘えて休職期間を延長することにしました。

夏休みをもらった気持ちで。積極的に家族と向き合う時間をつくった

9月の職場復帰を見据えて自宅療養することになったものの、4か月もの療養期間をどう過ごすべきか戸惑いもありました。正直なところ治療生活で心身ともに消耗していましたし、のどの痛みもまだ残っています。夏休みをもらったと考えて、この機会にしかできないことをしようと頭を切り替えるようにしていましたね。

治療中はどうしても自分のことで精一杯。家族と向き合う時間をつくることはできませんでした。咽頭部への放射線治療だったので、発声するのが辛かったんです。会話すること自体がしんどくて、会話そのものをシャットアウトする時期もありました。放射線治療中は自宅にいるものの子どもと会話をしませんでしたし、一緒に外出することもほとんどありませんでした。

療養期間の4か月は子どもとの時間に大半を注ぎました。近所の公園でサッカーボールを蹴ったり、家で一緒にゲームをしたり。私も子どももサッカーをやっているのですが、この時期は、ちょうどサッカーワールドカップの開催期間中だったので、子どもと一緒にテレビ観戦もしましたね。

自分の時間は気分転換に。仕事に関係ないことをするように努めた

子どもは学校がありますので、平日の昼間は自分だけの時間を確保することもできました。食事面でのリハビリとして、経口摂取しやすいものを食べるようにしたり、気分転換のために一通り映画や連ドラを観たり、本を読んだり。自由で贅沢な時間を過ごすことができました。

自宅療養期間は極力仕事と関係ないことをするように努めました。正直に言えば、会社や仕事のことは気になっていました。でも気にしたところで復職できるわけではありません。むしろ休職していた分を取り戻そうと思って、日々を過ごすのは精神的にきついものがありますよね。どうしても焦りのようなものが生じますから。

治療によって身体的な部分に負荷がかかったわけですけど、当然精神的な部分にも負荷はかかっていました。ここで更に焦りのような精神的な負担をかけるのではなく、きちんと気分転換をして、精神的な部分でもリハビリになるように心がけました。

ゆっくりと自分を見つめ直す時間をいただいたわけですから、この環境下でしかできないことをやりたいと思いました。結果的に今自分がどんなことを考えているのかなどをブログに書いて整理することにしました。

治療前に作成した「やりたいことリスト」。自分との約束を守ることに時間を費やした

実は、治療後にやりたいことをリストにしていたんです。確定診断を受けてから、治療に入るまでの時間にまとめました。まだ、治療も始まっていない段階ではあったのですが。がんに罹患した自分を単にネガティブなものとして捉えたくなかったんです。昔から「ピンチはチャンス」と考えるクセをつけていたので、その影響だと思います。

「やりたいことリスト」はほとんど箇条書きのようなものです。中にはがんに罹患した経験を活かした研修活動や講演活動を行う、本を執筆し出版する、このようなインタビューを受けて闘病体験を話すなど、罹患した経験を活かしたものもありました。

治療後の自分をイメージし、目標設定することで治療に立ち向かうんだ。自分にはこういう使命があって、治療はある意味でそのための試練なんだというような意味づけを行っていたんです。

実際に治療も終わり、職場復帰も見えてきている。「やりたいことリスト」に着手する絶好の機会だったので、治療前の自分との約束を守るために黙々と動いていました。この時期は仕込みの期間になり、後に本を出版することもできましたし、研修活動や講演活動を行うこともできました。

自宅療養中なので、外出にはどうしても制限がありましたが、治療前に決めていた「やりたいことリスト」に向き合っていたので、することがなくて辛いというようなことはなかったですね。

 

 

がんを経験された個人の方のお話をもとに構成しており、治療等の条件はすべての方に当てはまるわけではありません。

新型コロナウイルスの影響によりテレビ会議を用いて取材を行ったため、写真は後日追加予定です。

Hatch Healthcare K.K.

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