フルタイムで働く自信はあったが、ブランクと部署移動で最初は流れを追いかけていくので精一杯だった
長期間の自宅療養を続けた結果、体力・気力ともに回復してきた感触がありました。職場復帰する時点では、罹患前の7、8割の体力は戻ってきていたとの自負もあり、フルタイム勤務を問題なくこなす自信がありました。
自分の場合は治療しながらではなく、治療をきちんと終えてからの仕事復帰。この先は体力が戻っていく一方の状態です。復帰するにあたり体力面で不安を抱くことは通院治療をしながら働いている方ほどはありませんでしたね。
難しく感じたのは9か月のブランク。その期間は仕事を一切せず、治療に専念していたので、本当にちょっとしたことも忘れていました。たとえばビジネスメールの送り方。こんな感じの文面でいいんだっけ、と戸惑うことも。会社の方針もキャッチアップしなければいけませんでした。
復職後は、人事と相談して自分のペースで仕事ができる新しい部署に異動しました。最初は仕事の流れを追いかけるだけで精一杯。1から覚えることも沢山ありましたね。
復帰当初の仕事には物足りなさも。もっと活躍したいし、会社に貢献したい
異動先は、仕事量だけでいうと少し物足りなさもありました。
特に復帰当初は、昔に比べると3分の1くらいの仕事量。体力的にはありがたかったのものの、精神的には忸怩たる思いがありましたね。周囲の同僚からたびたび、「無理しないで」というお声がけがあり、気を遣わせてしまって申し訳ないなという感覚がありました。
具体的に言うと、会議に出て議事録をとっていたら1日が終わっていたこともあります。「最初はそれでいいから」と周囲に理解してもらっている感じでした。ただ、リハビリと一緒で、少しずつ負荷をかけていかないと戻っていかない部分はありますよね。負荷をかけて仕事できない状況が半年くらい続いてしまいました。
がんに罹患したことで周囲からは気遣われるけれども、ビジネスパーソンとしてこれでいいのか。お給料をもらっていいのか、という葛藤を抱きました。自分の実力はこんなものではないとの自負もありましたね。
とはいえ、病気も治り、復職もできている。幸せな悩みかもしれませんが、罹患前と罹患後で仕事面でのギャップがあったことは事実です。それに対する精神的な辛さのようなものはありましたね。仕事でもっと活躍したいし、会社に貢献したいという欲みたいなものが出てきていました。
体調面に変化。冷え性になった
がんに罹患したことで体調面に変化がありました。具体的に言うと冷え性です。
これまでは夏になるととにかく冷房の設定温度を下げるタイプの人間でした。それが、職場復帰後は設定温度を上げて欲しい、なんなら冷房を止めてほしいくらいの寒がりになったんです。
体が冷え切ってしまい、夏なのにむしろ温めたいくらいの感覚になりました。とはいえ、部屋自体は暑いのでなかなか自分一人のために言い出すことができず。よく女性の方が、夏場の冷房が辛いと言いますが、その気持ちがよくわかりました。
体を冷やすことはよくないことだと思っていましたので、自分なりに上着を羽織るなどの対策を講じました。社内にいるときは、それで対応できるのですが、出先ではそういうわけにもいかず。少なからず、冷え性になったことで苦労が生じるようになりましたね。
冷え性対策のために服用した漢方薬。副作用で頻尿に
冷え対策のために漢方薬を服用していました。主治医に勧められたというよりは、自分で調べた結果、冷え性に効きそうな漢方薬を見つけたので、相談して許可をもらうような感じで処方してもらいました。他の薬との飲み合わせも気になったので確認の意味も含めて主治医には相談しました。
近隣の別の病院で処方してもらい服用していたのですが、副作用として頻尿の症状が出てしまいました。一時間程度の会議でも、トイレに行きたくなるように。
ちょっとした会議であれば一言ことわりを入れて退出できるものの、大きな会議だとどうしても言い出しにくい。自分なりに会議前に2、3回トイレに行っておいたり、会議の席もできるだけ出口に近いところをキープしたりと、大きな会議の際はトイレ対策を行いました。
もともとブログなどで情報発信をしていたこともあり、同僚は私のがんに対して理解がありました。いざというときは「すみません」と言って会議を途中退出しても問題なかったです。こればかりは情報発信をしておいたお陰ですね。
結局、3か月くらいで漢方薬の服用を止めました。冷えと頻尿を天秤にかけると、頻尿は仕事上、大きな問題になってしまったからです。日常生活を送るうえで、もう服薬はしない方がいいなと判断しました。