自分で車を運転し、毎日放射線治療に通う。並行してホルモン療法を開始
「放射線治療友達」と駅前でお茶することも。放射線治療を受けた部位は今でも汗をかかない
治療は予約制のため、病院での待ち時間はそれほど長くありませんでした。今では繋がってないのですが、同じ時間帯に足を運ぶ「放射線治療友達」ができたのもこの頃です。年齢は年上の方が多く、駅前でお茶をすることもありました。
放射線治療で通院している方のがん種にはさまざまなものがあり、男性では前立腺がんの方もいました。前立腺がんも放射線治療を受けるんだ!と、同じがんでも知らないことだらけ。興味津々でした。
乳がんの放射線治療は、毎回同じところに放射線を当てますので、放射線を当てる位置をフェルトペンでマーキングします。1ヶ月くらいはペンの痕が消えませんでした。放射線治療をしたところは放射線焼けしてしまいました。私の場合は、真四角の形で真っ茶色に色が残りました。治療の影響で、常にひんやりと冷たく、放射線治療を受けた部位だけが今でもまったく汗をかきません。たとえばTシャツを着ると長方形の形でそこだけ汗が出てなかったりします。
放射線治療と並行してホルモン療法を開始
放射線治療と並行して、ホルモン治療薬の経口投与がはじまりました。術後5年間にわたり毎朝1錠、治療薬を服薬していました。エストロゲン(女性ホルモン)を抑える治療で、別名、内分泌療法とも呼ばれるそうです。
薬は5年間飲み続けました。たまに飲み忘れてしまうこともありましたが、忘れずに飲み続ける工夫として、100均で購入したピルケースを愛用しています。なぜか6日分しか入らないのですが、土日分はまとめて1ヶ所に入れています。
一旦は5年間の服薬で終了したのですが、辞めてから2年後、生理が戻ってしまいました。詳しく調べてみると女性ホルモンの分泌が見られたそうです。生理が戻るとあまりよくないらしく、医師からは治療の再開を勧められたのでホルモン療法をさらに1年間続けました。
がん患者に「痩せた」は失礼?痩せたねと言われたかった
クーラーが効いていているのに、周りが涼しい顔をしているのに、私だけ顔から汗をかいてしまう。そういったホットフラッシュの副作用がありました。
ホルモン療法開始からしばらく経ち、髪の毛が生えそろってきた頃、昔からの知人に「全然変わってないね」と言われたのはうれしかったです。ただ、「痩せたね」とは言われませんでした。がん患者に「痩せた」というと失礼だと思われているのか、「痩せたね」と言われないのは悲しかった。5kgほどは痩せたので本当は「痩せたね」と言われたかったです(笑)
観光学を学んだ大学を卒業し、旅行会社勤務時代は添乗員として年間200日以上海外に行く生活を送る。 がん発覚後、海外出張を辞め2ヶ月は事務所にて勤務。抗癌剤治療を始め、脱毛などの症状が出はじめたことをきっかけに退職し治療に専念した。2019年2月でがんになって丸10年。