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2018年10月 告知

人間ドックの受診で胃がん発覚。手術ですぐに社会復帰できると考えていた(42歳/男性/会社員)


人間ドックを受診。自分の身体は「異常なし」だと思っていた

2018年10月に胃がんの告知を受けました。

きっかけは、軽い気持ちで受けた人間ドックでした。年齢も40歳。いい機会なので、全身の健康状態をきちんと見ておこうと思い、人間ドックを受診したんですね。

会社の健康診断は毎年受けてきましたが、特に問題はありませんでした。受診した人間ドックも当日に検査結果がわかるものは異常なし。残りの検査結果については、2週間後に再び病院で聞くことになっていました。

2週間後。残りの検査項目も特に異常がないだろうと思って待合室で待っていたのですが、順番的に私の前の人が診察室から出てもすぐに名前が呼ばれなかったんです。時間としては10分程度。なぜすぐに呼ばれないのだろうと疑問に感じました。

胃がんの告知。近隣病院での再検査を勧められる

名前を呼ばれて診察室に入ると、医師は私にとても気を遣っている様子。さらには最近の健康状態についても質問を受けました。私自身ははっきりとものを言って欲しいタイプなので、何か体に異常があるのであれば、遠慮なく伝えてくださいと医師に申し出ました。

医師は「わかりました。驚かないでください」と一言だけ前置きすると、「Sさんは胃がんです」とはっきりと私に告げました。何か大きな病気なのでは?とその場では感じていましたが、まさかがんに罹患しているとは…。驚きでかなり動揺しました。

告知をしてくださった内科医以外に、同じ病院の外科医からも説明がありました。早期がんの可能性が高いこと、手術で対応できるだろうこと、外科医の冷静な話しぶりもあり、少し落ち着きを取り戻しました。

外科医からは、より大きな病院で再検査をして治療を受けるよう勧められました。もしこの近所であれば参考程度に、と近隣の地域医療支援病院の名前も教えてくださいましたね。

病院選びのため情報収集。最終的には紹介された病院へ

外科医の説明もあり、自分の胃がんはそれほど深刻ではないと考えていました。早期がんだろうし、紹介していただいた病院にそのまま行っても良かったのですが、他の選択肢もあるのではないかと、念のため違う病院も調べてみようと思いました。

そうは言っても病院のツテはないので、イチから病院探しをしました。具体的には、参考になりそうな書籍を購入して読んでみたり、手術の治療実績・手術件数に着目して、実際によさそうな病院のホームページを見てみたり。ただ、早期の胃がんであり、治療方針も変わらないことも分かったので、アクセスの良さという点から、外科医が名前を出していてた近隣の地域医療支援病院で検査を受けることに決めました。

病院には一人で行きました。様々な検査をしてもらい、胃がんであることは間違いないとの診断。ただ、症状は実際のところは開腹するまで分からないとの説明も受けました。

早期がんだろうし、手術をすればすぐに社会復帰できるだろうと考えていました。ですから医師の丁寧な説明も、すこしまどろっこしいなとすら感じていましたね。

想像とは違った医師のセリフ。断定的な発言はなかった

個人的な発見は、医師が断言するような説明をしなかったことです。

医師に言われたことは、「あなたは胃がんだけど、胃の外側に浸潤している可能性もある」「転移の可能性もあるので、開腹して病理検査に回してみないと確定的なことは分からない」といった調子。医師は断定的なことをあまり告げないんだなと、患者に対する慎重な姿勢を感じましたね。

医師の説明は丁寧ではありましたが、正直なところあまり頭に入ってきませんでした。個人的にとにかく早く腫瘍を切除して欲しいとの思いが先行してしまっていたんですね。医師に対しても、説明は十分聞いたので早く手術して欲しいなとばかり思っていました。今振り返ってみると、医師との上手いコミュニケーションの取り方がわかっていなかったんだと思います。

通院の時は念のためノートを持っていき、診察室ではメモを取っていました。ただ、専門用語がよく分からなかったことと、繰り返し同じような説明をされていたなという印象。簡単にメモを取ったものの、家に帰ってから確認することはしませんでした。

家族や職場への報告。小学生の息子にも隠さずに伝えた

胃がんの診断を受けて、真っ先に家族の妻と子どもに自分の状況を伝えました。

妻には人間ドックの時点で胃がんの告知を受けたことを話しており、その時に、早期の発見なので心配ないよと伝えていました。子どもに伝えるかどうか若干迷いましたが、当時小学四年生で特段隠さなければいけないような事情もなかったので、素直に伝えました。両親や兄弟にも連絡を入れましたね。

職場には、胃がんの事実と手術のために入院する必要があることを当時の上司に伝えました。

私の場合はその時点で転職が決まっていました。早めに状況を伝えておいた方がいいだろうと転職先にも報告しました。どのような手段で連絡をしたかは、記憶が定かではないでのすが、冷静に対応してもらえた印象はありますね。自分の希望として、まだわからないけれども転職する頃には問題なく働けるだろうし、働きたいことを伝えました。転職先も理解してくれたようで、また詳しいことがわかったら連絡してくださいという感じでした。
 

 

がんを経験された個人の方のお話をもとに構成しており、治療等の条件はすべての方に当てはまるわけではありません。

新型コロナウイルスの影響によりテレビ会議を用いて取材を行ったため、写真は後日追加予定です。

告知

一回目の腹腔鏡手術

40歳を機に憧れていたスポーツ業界で働くことを決意。転職前に受けた人間ドックで胃がんが見つかる。腹膜に転移していることが発覚するも抗がん剤治療が奏功し、胃の全摘手術を受ける。現在はがんと付き合いながら、スポーツ業界で活躍されているとのこと。

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