2泊3日の検査入院。検査結果は彼女と一緒に聞いた
定期検診の翌月、より詳しく身体を調べるため検査入院をしました。
入院日数は2泊3日。触診や画像診断、生検など、医師の案内にしたがって一通りの検査を受けました。入院中は完全に仕事をオフ。仕事柄よくかかってくるスマホの電源も切っていました。
検査結果は一週間後に出るとのことで、医師には親族と一緒に聞きに来るよう言われました。両親はとうの昔に他界しています。過去に結婚していたこともあったのですが、離婚したため現在は配偶者もいません。
もし付き添いをお願いするとしたら、交際中の女性しかいないと思い、医師に彼女でも構わないか聞いたところ、信頼がおける方や関係性が深い方なら大丈夫と仰ってくださいました。医師の了承を得られたので、事情を話し、当日一緒に病院に来てくれるよう彼女にお願いしました。
事情を説明するにあたり、がんの可能性があることを初めて彼女に伝えました。とりたてて驚かれることもなく、冷静に受け止めていたようです。本心はわかりませんが、病院への付き添いを快諾してくれました。
結果は早期の前立腺がん。専門用語が多く病状を理解できなかった
検査結果は早期の前立腺がん。ステージで説明されるかと思いきや、TNM分類(参考:国立がん研究センターがん情報サービス「前立腺がん」)で告げられたので、あまりピンと来ませんでした。馴染みのない専門用語が多く、自分の病状についてよく理解できていなかったように思います。
具体例を挙げるとすれば、グリーソンスコア(国立がん研究センターがん情報サービス「グリーソンスコア」)。
検査入院の際に、「グリーソンスコアを測るので生検をします」と言われましたが、そもそもグリーソンスコアという言葉を知りませんでした。用語の意味をネットで調べると、前立腺がんの悪性度を表す値だそう。初めてこういう言葉があることを知りました。
自分で調べなければ、検査結果がどれほど悪いものなのかもわかりません。医師からはグリーソンスコアは9.5と伝えられましたが、自分が調べた後にこれは悪性度が高いんだなと気づくような感じでした。
告知時は一瞬落ち込む。医師から性交渉ができないことを心配された
前立腺がんと告げられたとき、告知の一瞬だけ落ち込みました。
予想はしていたのでそれ以上落ち込んだり、悩むことはありませんでした。前立腺がんが他のがん種に比べて5年相対生存率が比較的高いことを知っていたことも大きかったかもしれません。
告知後、医師から性交渉ができなくなることについてとても心配されました。念を押すように説明を受けたことがとても印象に残っています。
個人的には特に問題を感じませんでした。当時既に50代で子供もいました。むしろそういったことに興味を持たなくなるのもいいかなと思ったくらい。ですから医師には治療を優先してほしいと伝えました。
手術ではなく放射線治療。治療方針は医師に従った
実際に治療方針を示されたのは、告知の一週間後です。
病院の連絡を受けて行ってみると「治療の方針が決まりました。今回は手術ではなく放射線治療を考えています」と医師から伝えられました。
治療については、医師の指示に素直に従おうと考えていました。医師の方が治療については私よりも詳しいですし、変に情報収集をして、治療方針や病院選びで悩みたくなかったんです。自分から積極的に意見を言ったり、質問をしたりすることもありませんでした。大学病院だったので、診察の中で医師とやり取りをする時間があまりないことも、これまでの通院歴からよくわかっていました。