濾胞性リンパ腫だという告知を受けました。主治医から「早期発見です」と言われました。早期発見でよかった、ひとまず安心することができました。
その大学病院にて、治療を開始することに。まずスタートしたのは抗がん剤治療です。
抗がん剤は診断後の7月から開始。週2日の点滴と週4日飲み薬を服用。それから3週間明けてそれを繰り返すという工程で、これを6クール繰り返しました。
1クール目は、副作用の程度やタイミングを見るため入院して行いました。多少発熱はしましたが、私の場合、それほど副作用が強く出ず、2クール目からは通院で治療を続けることになりました。
心配だった抗がん剤治療。髪の毛が抜け始めたときはショックだった
自分自身、抗がん剤治療については副作用だけが心配でした。髪がどんどん抜けて、食べたものも吐いて、精神的にも肉体的のもボロボロ、仕事にも通えない……というイメージを持っていました。
実際に抗がん剤治療を始めたところ、私の場合、体調はそこまで変わることもなく、仕事も普通にこなすことができました。
顕著に現れた副作用としては、やはり脱毛が一番大きかったです。抗がん剤治療を開始後、シャンプーをしていて手のひらにぴっちりと髪の毛がついたときは、かなりショックでしたね。
副作用で免疫力が低下。生活スタイルを調整
私はもともと、10年以上前から高校球児のような坊主頭なんです。そして、前々から一度スキンヘッドにしてみたい、という願望もありました。そのため、髪の毛が抜け始めたときはショックでしたが、ショックだったのはその最初の一瞬だけ。その後はカミソリでバーっと剃り上げて、念願のスキンヘッドを楽しんでいました。
特に影響があったのは頭髪だけで、眉毛やまつげへの影響はあまりありませんでした。ちょっと薄くなった程度でしたので、仕事にも影響はありませんでした。
副作用としては、そのほかに発熱が数回ありました。便秘というのも医師から言われていましたが、それほどでもありませんでしたね。
副作用では、免疫力が下がるので感染症に気をつけるように言われていました。そのため、生活スタイルも少し変えました。
職場に病状を報告。もっと普通に接してほしかった
職場にはがん告知を受けたあとに伝えていましたが、「初回の治療だけ入院し、あとは通院で治療します」という報告を行っていました。入院や治療は有給休暇を消化しながら行いました。
上司に直接伝え、経営陣にはその上司から伝えてもらいました。所属している部署の人たちにも直接伝えましたが、検査の段階でたびたび休みをもらっていたこともあり、薄々気づいていたと思います。
がんを打ち明けた当初は、私の方が気を遣ってしまうようなところもありました。がんだと明かしたことでびっくりさせてしまった同僚もいました。憐れむような感情を持った同僚もいたと思います。私のことをとても気遣ってくれているのが分かることもありました。
気を遣われるのが申し訳ないなと思い、その後は社外の人にも極力会わず、社内でおとなしくしているようにしました。
私としては、もっと普通に接してほしかった、という気持ちが強くあります。
「闘病中だから、彼にはこの仕事は任せられない」と思われていたかもしれません。同僚や上司も当時は私をあまり現場には行かせないようにしていた気がします。
ただ、治療が始まって日が進むにつれて、周囲も徐々に「思っていたより元気そうだな」と気づいていたようです。次第に以前と同じように接してくれるようになっていった気がします。
治療は3ヶ月で終了 以前の生活に戻る
抗がん剤の治療は予定通り3ヶ月で終了。その後にPET検査を受けて悪性リンパ腫がなくなったと言われました。実は8月ごろには、当初あった首の周りや腋の下のしこりももう消えていて、抗がん剤の効果を実感していました。