※本記事は、患者さんの体験談であるため、具体的な病状や治療法なども出てきますが、あくまでも個人の例であり、病状や治療効果は、個人差があります。すべての患者さんへ適応できる状況、効果を示すものではないことを了承ください。
右胸だけでなく左胸にもしこりを発見
最終的に左右両方の胸にしこりがあり、いずれもステージ1のがんであることがわかったのですが、2023年12月の告知時点でわかっていたのは右胸のしこりだけでした。
告知後その日のうちにマンモグラフィをしたのですが、ここでもまだ左胸のしこりは発見できませんでした。
手術の前に、ほかにもがんがないか調べるために全身のMRI検査を実施。ここでようやく左胸のしこりも発見されました。
当初、全切除を検討していた理由
手術は部分切除で行いました。
しかし当初、全切除(乳房全切除術)を検討していました。主治医から、部分切除の場合は放射線治療もあわせて行う必要があると説明を受けたからです。以前放射線治療を経験した人の話を聞いたこともあり、仕事をしながら平日毎日通院して放射線治療を受けるのは難しそうだと思っていたんです。
全切除後、再建もしない方向で考えていたんですが、主治医からは、「ステージ1なので部分切除で問題ありません。手術と放射線治療で胸を温存する方がいいと考えています」と言われました。
素人の私からすると、全切除の方が部分切除に比べて再発・転移のリスクが下がるように思えたのですが、主治医によると数字上大きな差はないとのことでした。また、全切除の方が費用もかかりますし、人によっては腕が上がりにくくなるなどの後遺症が出る場合もあるとも説明されました。さらには、胸がなくなることで大きな喪失感を抱える人もいるとも。「もしかしたら自分も大きな喪失感を抱えるタイプかも」。話を聞いて思いました。
部分切除にするか全切除にするか決めかねていた頃、職場でも手術方法の話をしました。
上司からは「自分は男だから気持ちが完全にわかるわけではないけれど」と前置きした上で、こう言われました。
「確かに主治医が言うように、元々あるものがすべてなくなるのは大きなショックかもしれないね。仕事についてはサポートするし、部分切除で残す方がいいんじゃない」
主治医と上司の勧めもあり、最終的には部分切除を選びました。