※本記事は、患者さんの体験談であるため、具体的な病状や治療法なども出てきますが、あくまでも個人の例であり、病状や治療効果は、個人差があります。すべての患者さんへ適応できる状況、効果を示すものではないことを了承ください。
時間休を取りながら、放射線治療のため平日毎日25回通院
2024年1月に手術をした後、3月から放射線治療が始まりました。治療は平日毎日約30分、全25回です。「治療に協力するよ」と言ってくれた上司でしたが、連日25回も続くのは予想外だったようで驚いていました。
仕事は時間休を毎日2時間取って対応しました。診療は午前9時からなんですが、9時に行ってもかなりの待ち時間が生じます。そこで7時に家を出て、7時半には病院に到着。すでに4〜5人ほど待っていることが多かったのですが、何とか放射線治療と会計をすばやく済ませて、車で40分ほどかけて勤務先に向かっていました。時間休が10時20分までなので、それを過ぎると3時間時間休を取らなければなりません。慌ただしく家から病院、病院から勤務先と移動して何とか2時間以内に出勤できるようにしていました。
診療開始前から待っている4〜5人は、基本的に毎日会うので顔見知りになってきます。
毎日、仕事の都合でいちばん初めに治療を受けている前立腺がんの男性がいました。この男性から、「いろんな人と喋っていると、何時に病院を出なくちゃいけない人か分かってきて、たまに出遅れた時に順番を譲ってくれることもあるよ」と教えてもらいました。このアドバイスもあり、いつも顔を合わせる人とはあいさつや会話をするように心がけました。
実際に朝家を出るのが遅れた際、私が治療後に出勤しているのを知っている人が順番を譲ってくれたことがあります。職場や患者仲間の協力も得て、何とか25回、予定通り終えることができました。
がんになったことをマイナスの出来事で終わらせたくない
乳がんになって治療をして、初めて分かったことが色々とあります。
私はステージ1なので、そのことを伝えると、励ますつもりで「ステージ1だから治るよ」と言う人もいます。ですが手術で切除して終わりではありません。
私の場合、今後ホルモン療法は約5年、そこから経過観察約5年と、10年はがんとの付き合いが続き、長い道のりがあります。
私もかつて励ますつもりで、「今はがんも治る病気だから」などと言ってしまったことがありました。ですが今はがんをはじめとした色んな病気を想定し、かける言葉についてよくよく考えるようになりました。
また、仕事でがん保険を扱うことがあります。自分自身が罹患したことで、がんになった時の不安や大変さを身に染みて感じました。必要に応じて自身の体験を語るなど、この経験を仕事にも反映させています。金銭面など苦労も多いですが、がんになったことをマイナスの出来事で終わらせず、そこからの学びを得たいと思っています。
今後まだ治療は長く続きます。他の病気に気をつけて予定通り治療を終わらせる。それが目下の目標です。
※アフラックのよりそうがん相談サポートは、Hatch Healthcare株式会社が提供するサービスであり、アフラックの提供する保険またはサービスではありません。