子宮を摘出。過去の手術のトラウマで麻酔が怖かった
2018年12月に改めて掻爬手術を受け、翌年1月に子宮摘出の手術を受けました。
1月5日に入院をすると、手術当日までは胃や大腸、膀胱への転移がないか調べるため身体の隅々まで検査を行いました。がんと向き合う覚悟はできていたので、子宮を取ることへの抵抗はありませんでしたが、手術の恐怖心だけは依然として残っていました。
実は30年以上前に盲腸の手術を受けた際、下半身麻酔の影響で手術中に嘔吐や血圧低下の症状が出たんです。当時の執刀医には「盲腸の手術でここまで術後の具合が悪くなる人は初めてです」とまで言われてしまい、それ以来、私にとっては手術、特に麻酔は怖いものだという印象がありました。
手術前日、これらの話を麻酔医に話したところ「今回は大きな手術ですし、前回と違って全身麻酔。心配しなくても大丈夫ですよ」といった説明を受けました。当日は緊張しながらも落ち着いて手術に向かうことができました。
卵巣、卵管、リンパ節も切除。抗がん剤治療の可能性も
術前の検査結果を受け、執刀医からは子宮だけでなく卵巣や卵管、リンパ節も切除すると言われました。
現時点では他の部位に浸潤している様子はないけれど、念の為取りましょうという話に。その時点ではもう取りたくないとは思いませんでした。私に拒否権はないような感じでしたし、こればかりは仕方ないなと。そのタイミングで抗がん剤を使用する可能性も告げられていました。
医師の話に対して特に疑問を持つことはなかったので、情報収集も至ってシンプル。参考にした資料は国立がん研究センターのがん情報サービスに掲載されている情報だけです。
私が行ったこととしては、国立がん研究センターのサイト内で「子宮体がん」と検索、表示された情報を一通りチェックしました。サイトにはネット検索でたどり着きました。正直、それ以外のサイトには真偽不明な内容しか記載されていないような気もしましたので、国立がん研究センターのがん情報サービス以外のサイトを積極的に探そうという気にはなりませんでした。
夜中、胃の周囲の気持ち悪さに悩まされた
手術は朝8時から始まり、午後2時頃に終わりました。
手術直後、のどが痛かったことを今でも思い出します。口に挿管して麻酔をしたからです。のどがヒリヒリと痛く、声を出しにくいと感じるほどでした。
夜中になると、胃の周囲に痛みや、気持ち悪さのようなものを感じはじめました。
激痛と呼べるほどでもなければ、嘔吐するほどでもない、ただどうしていいか分からない気持ち悪さ……でした。
丸くうずくまれば楽になりそうな感じはしました。
しかし、足の血流を促すために圧力を掛ける装置を装着していましたので思うように寝返りが打てません。血栓ができないようにするための措置でしたが、その装置を着けていたため身動きが取れないのです。寝返りさえできれば楽になれそうなのに、寝返りができない……。どうしたらいいんだろうと、悩みながらもどかしさのなかで悶々としていました。
看護師さんからは「辛かったら遠慮なくナースコールで呼んで下さい。硬膜外麻酔を注入します」と言われていたので、泣きそうになりながら2回ほどナースコールを鳴らしました。麻酔を追加してくださり、そのおかげで少しは眠ることができました。
2017年12月に子宮内膜増殖症と診断を受けた後、異型細胞が見つかり、子宮体がんの告知を受ける。罹患後は働きながらの治療か休職かに悩むも、役員の勧めで休職を選択。復職後は3ヶ月間の時短勤務を経て、2020年1月より通常勤務。