手術が決まった時点で、上司には1月いっぱいはお休みしますと伝えていました。
がんで手術する必要があるので、といった感じで説明したため、部位については明かしていません。あくまで、がんとだけ告げました。
一方で、ペアを組んで仕事をしていた年下の同僚の女性には、がんとすら言えなかったですね。休むことだけ伝えました。迷惑を掛けちゃうことになると思うけど、1ヶ月くらい休むね、ごめんなさいって。社内だと誰かに聞かれてしまうかもしれないので、その日だけ一緒に外でご飯を食べようと誘って、ランチのタイミングで打ち明けました。
やっぱり自分の病気に関しては伝えたい人にだけ伝えたかったので、関わりのない部署の人にはあまり聞かれたくないなと。なので、職場でがんと伝えたのは上司だけですし、休むことも彼女と、他にはよく一緒にランチを食べる仲の良い同僚数人にだけしか伝えませんでしたね。
その後、抗がん剤治療が決まった時点で、「追加で治療を受けるため2月も休みます」と上司に電話で連絡。ちなみに上司には追加の治療とだけ伝え、抗がん剤治療とまでは言っていません。上司に詳細を語ることに若干の抵抗がありました。そもそも詳しく聞かれなかったですし、その時は3月には戻ると思っていましたので、深く説明する必要はないと思ったのです。
しかし、抗がん剤の副作用もあってか体力が元に戻らず、3月から休職することになりました。
顔馴染みの役員との面談が休職の決断を後押し
休職を決めたきっかけは、顔馴染みの役員との面談です。
お休みをいただいているときに一度だけ出社する機会がありました。その頃の私は脱毛 が始まったタイミングで、さらに風邪もこじらせてしまい、精神的に結構落ち込んでいたんです。
今考えると、脱毛で落ち込んでいたのか、普段は引かないような風邪による体調不良が原因で落ち込んでいたのか。定かではありませんが、とにかく久々にふさぎ込んでいました。
そんな状態で出社していると、たまたま執務フロアを通りかかった役員に「病気したんだって?」と声を掛けられました。ちょっと話を聞かせてよと役員室に呼ばれたのです。部屋に入るなり、これまでの治療から現状に至るまでを一通り説明。それこそ上司には言えなかった抗がん剤治療についても話しました。
すると私の話を聞いた役員は「うちの会社は休んでも給料が出るから、とにかく休みなさい」一言、そう言われたのです。
制度を利用した休職に申し訳なさを感じていた
休職中も期間限定でお給料が出ることは制度としては認識していました。
ただ本当に自分が使えるのか、そもそも自分が使ってもいいのかという不安はあり、実際にそう言って貰えて安心しました。
別に会社を疑っていたとかではなく、制度を利用することは会社に甘えてるのではないかと、どこか申し訳なさを感じていたんです。だから治療中であろうと少しぐらい辛かろうと、仕事は続けるべきとも考えていました。
ただ逆に休みながらでも出社する方がいいのか、いっそのこと長期間休んだ方がいいのか。どちらを選択すれば職場に対する迷惑が最低限で済み、身体にとって良いことなのか。正直なところ、自分では判断がつかない状態でした。
休むように諭してくれた役員に感謝しかない
役員に対しては、復職で迷っていることも伝えました。
その回答として、先ほどの通りもう有無を言わさず「すぐに休みなさい」と言われたのです。
その言葉に安心し、休職選択の決断が出来ました。背中を押してくれた役員には、感謝しかありません。
本来であれば、そういった役目は直属の上司仕事であるべきかもしれませんが、たまたま信頼関係を築けていた役員からの温かい言葉がありましたから、もうそれ以上、直属上司から何をして欲しいという気持ちはありませんでした。
実際の休職手続きにあたっては、規程により直属上司経由人事部に診断書の提出が必要でした。上司には、人事に渡す前に中を読んでいただいても結構です、と封緘せずに渡しましたが、返事は、中は読まずにそのまま渡しますとのことでした。
結局中身を確認されたかどうかは分からずじまいです。復帰後は上司が異動していたので。でも、読まないで渡すよという言葉は、病気について自分から積極的に語りたがらない私への、上司なりの配慮だったんだろうなと、今では思いますね。