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2011年9月 仕事に復帰

職場復帰で自分の居場所があると思えたことが大きかった

異動の挨拶でがんであることは伝えていたので、職場では何も気を遣うことなく過ごすことができました。気持ち的にも何かやっている方が楽だったので、なるべく仕事をしたいと思っていたのですが、抗がん剤治療中は自由に出社できる状態ではありませんでした。なぜなら有給期間を超えるお休みを取得していたので、会社の規定で産業医面談が終わるまで職場復帰ができなかったのです。

僕としてはできる限り出社して仕事をしたいと思っていたので、復職するにあたり、会社の産業医には、体調がいいときは働きたいという意思を積極的に伝える努力をしました。例えば、1クール目の抗がん剤治療で出てきた副作用の出方などを詳細に伝えて、今後の治療過程で、いつ、どのような副作用が出る可能性があるかを事前に話しておきました。それを受けて、産業医側は通勤するに当たり配慮するべきことはないかなどを尋ねてくださいました。

 働き方について積極的に産業医と相談をした。何でも相談しやすい職場環境がありがたかった

3クール目以降は体調のいいときは出社しましたが、本格的に職場復帰を果たしたのは、4クール目の抗がん剤治療が終わった9月30日からです。そのときはフルタイムでの復職でしたが、抗がん剤による消耗もあり、体力面は1クール目に比べてかなりきつかったです。ただ、職場に自分の居場所があると思えたことで気持ちは上向きになりました。

家族や職場のメンバーは、通勤の電車は大丈夫なの?とか、副作用の心配をよくしてくれていました。吐き気はあったのですが、吐くほど強いものではなかったのと、異動後はデスクワーク中心だったので、仕事に支障が出るようなことはありませんでした。

何でも相談しやすい環境を上司が整えておいてくれることは、治療をしながらの職場復帰にはとても重要なのだなと、がん患者になって改めて実感しました。

 

がんを経験された個人の方のお話をもとに構成しており、治療等の条件はすべての方に当てはまるわけではありません。
 

左肺抗がん剤

仕事に復帰

膵臓がん

2011年、札幌に単身赴任中に左肺がんの告知を受ける。以後、2013年に膵臓がん、2017年に右肺がんと3度の原発性がんを経験。闘病生活を支えてくれたのは、人とのつながり。がん患者の体験談や闘病記は、この痛みを感じているのは自分だけではないことを、職場復帰は自分の存在を受け入れてくれる居場所があることを教えてくれた。

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